IMDb Movie Review

IMDb.com に投稿されたレビューを日本語化(抄訳)します。

『ラストレター』(中国語版)多すぎるサブプロットが招く混乱

f:id:imdbmoviereview:20200120153458j:plain


がっかり。監督たちは芸術性を失ってしまった by euyue 6/10点

2005年の傑作『ウィンター・ソング』を観てからプロデューサーのピーター・チャンのファンだけど、この映画にはもっと期待していた。いい映画には3つの要素が欠かせないと思う。

1.愛の複雑さや繊細さを語る完全な物語

少しサスペンスがあるのはいいけれど、サブプロットが多すぎるても映画が一番伝えたいメッセージから観客の目をそらせるだけだ。残念ながらこの映画がまさにそう。

2.美しい脚本(この映画にはないもの)

中国の古典文学のファンだから、中国語がいかに美しい言葉なのかよくわかる。でも、結末部分での演説は少し冗長だった。メッセージは映画の中ですでに語られていたし、そもそもメッセージ自体が空っぽで、観客を人生や愛といったより大きな疑問について考えさせるようなものじゃなかった。

3.良い笑い

これは絶対に欠かせない。生きることは簡単なことじゃない。少なくとも、特権を持たずに生まれたほとんどのひとにとって。だから誰にとっても笑いは必要だ。映画の後半は気を滅入らせるし、十代の登場人物たちに人生がいかに困難なものか思い知らせるのはあまりに残酷だ。

私には監督たちが大衆性と芸術性のあいだのバランスを探そうとしていたように思える。芸術的には陳腐なものにしかならなかったけれど。本当はそれこそが、いまの中国社会が必要としているものだ。物質的な満足よりも、あらゆる形の芸術や美、愛といったより高次のものが求められている。監督たちは大衆性を追求したために芸術性を失ってしまった。私にはそれが残念だ。(2018年11月11日投稿・5/15人が役に立ったと評価)

 説得力に欠ける by TheBigSick 評価なし

語り方に説得力がない。メインプロットから気を逸らせるサブプロットが多すぎる。それに、語りのペースが意図的に引き伸ばされている。シークエンスや編集がわかりにくい。物語そのものにも説得力がない。姉妹の見た目がまったく違うのだから人違いされるはずがない。(2018年11月11日投稿・8/16人が役立ったと評価)

なんの冗談だ! by MoviesMustHaveLogic 評価なし

映画の脚本はあまりに非条理的で非論理的で馬鹿げている。妹は馬鹿げたことに亡くなった姉の身代わりになって、恥知らずにも自分のことを作家だと主張する怠け者との過去の恋愛を取り戻そうとする。この妹がどうやって姉の同級生たちを騙せたのかもわからない。ふたりが双子だったとしても、いったいどうして誰も彼女の死や葬儀について知らなかったのか? もし姉と同級生たちのつながりが完全に切れてしまっていたのなら、どうして同窓会の案内状を受け取れたのか? 妹は亡くなった姉のふりをした目的がなんだったか、どう言い訳できるのか? 姉の同級生と寝たかったのか? どうしてこんな怠け者に手紙を書き続けたのか? なんのために? 20分観て、私たちはもうこんなくだらない映画を観るのは止めてしまった。なんの冗談なのか!(2018年11月21日投稿・2/12人が役立ったと評価)